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2010-11-25
稲川淳二 怪谈13 - [都市传说]
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http://aoi-mizuumi.blogbus.com/logs/85401499.html
滋賀県の人なんですが、ご夫婦の方で、お手紙をいただきました。 #kaidan13
この方、仮に花田さんといっておきましょうか。 花田さんご夫妻がまだ結婚する前のことで、京都で同棲してた頃のお話なんですね。 #kaidan13
当時、花田さんは、水道の下請け工事の仕事に従事していた。 歩合制でして、その日はたまたま臨時ボーナスが入る日。 #kaidan13
朝、「よし、今夜は町に出て何かおいしいもんでも食べよう。」 と、未来の奥さんに向かっていったそうです。 #kaidan13
それでその日の夜ですね、遅くなって仕事から帰った。 奥さん、あれっと、思ったんです。 #kaidan13
旦那さん、いつもは私服に着替えて帰ってくるのに、今日は作業服のまんまでしたから。 どうしたの?と聞くと、 #kaidan13
「いや、今日は最後に遠い所に工事に行ったんで、会社に帰って着替える時間が面倒だったんだ。で、そのまま帰ってきた」 と旦那さん。 #kaidan13
それで、おもむろに内ポケットに手を入れた時に 「あっ?」 と、 「あれっ?ない、ないよ・・・。」 #kaidan13
臨時ボーナスと財布を、すっかり会社に忘れてきちゃった。・・・ まいったなあ・・・、どうしようーー。 #kaidan13
でも、それがないと遊びに行けませんから、奥さんと相談して、仕方なく、二人で会社まで取りに行くことにしたんです。 #kaidan13
会社までは、車で行った。 みんなすでに帰ってしまって、社内には誰もいない。 #kaidan13
鍵を開けて自分の机の上を見たんですが、 あれ?ないーー。 おかしいーー。 旦那さん、どうしたんだろうと思った。 困り果ててね、でも、ふと思い出した。 #kaidan13
あっ、そうかーー、ここを出る時は、ちゃんとお金を持って出たんだ。それは間違いない。 あそこだ。あの家だ。 最後に行ったあの工事をしたお宅に、忘れてきたんだーー。 #kaidan13
「で、どうしよう?」 って奥さんにいっても、それがなきゃ結局なんにもできませんから、仕方なくまた二人揃ってね、車で向かったんですよ。 #kaidan13
その家は会社からまた随分と遠く離れた所にありまして、車で走っていると、だんだんと民家がなくなってくるし、暗くなってくるし・・・寒いし。 #kaidan13
随分と寂しい所にどんどん入っていったんですね。 「いやな所に来ちゃった。」 って、奥さん愚痴いってる。 「仕方ないだろう。」 #kaidan13
「でもね、あなた、ここはちょっとおかしいよ」、と奥さん。 「こんな所に家なんかないよ」って。 それほど、うら寂しい道だったんです。 #kaidan13
「いや、あるよ、この道だよ、俺がさっき来たんだから間違いない。」 旦那さんは確信していた。 #kaidan13
つい2時間ほど前に自分で実際に来た道なんですからねーー。 「もう少し行った所にあるんだ。」 #kaidan13
「古い家で、木造で軒先にシートが出ていてね、昔は雑貨屋さんだったらしいよ。」 と、旦那さんが説明した。 #kaidan13
すると、 「あった!あったあった!ここだよ。ここを曲がったらいいんだ。」 と・・・。 #kaidan13
しかしね、そこを曲がると、さらに辺りは暗くなるんです。 真っ暗・・・・・・。 そして民家も全然ない。 ただ、昔は一大別荘地だったらしくて、家を取り壊した汚い跡がポツリポツリと、点在していた。 #kaidan13
「あった。あれだよ」 前方の暗闇の中に、突如、大きな屋根が見えてきた。 シルエットでわかったんです。 #kaidan13
冬でしたから、外はすごく寒いんですが、花田さんたちは車を置いて、一緒に家の前まで歩き、門のドアを開けて玄関に入ろうとしたんです。 #kaidan13
すると、 「ちょっとあなた、ここ違うわよ・・・」 奥さんが我慢できずに、小声でいった。 「どう見ても、人が住んでるようには思えないじゃない・・・」 鬱蒼として、枯れた雑木が広がっている。 #kaidan13
でも、絶対に間違いはないんだ。 ここに人がいる、だって自分がさっき工事に来た場所ですから・・・。 #kaidan13
「ごめんくださいーー。」 と叫んだ。 でも、返事がない。 「すいません、こんばんは!・・・こんばんは!」 #kaidan13
奥さんが彼にしがみついてしまって、 「誰もいないよ~」 #kaidan13
「いないことはないよ。 あ、そうかな・・・。もしかしたらあのばあさん、別の所に住んでるかもしれない。」と思った時です、 #kaidan13
手をかけたドアのノブが開いたんです。 「あれ、鍵がかかってないよ。」、と。 #kaidan13
ドアはギィィーーーと、 開いた。 #kaidan13
うわぁ なんだ? 玄関の奥はもう真っ暗で、人なんか絶対住んでる気配がない。 #kaidan13
でも旦那さん、一生懸命 、 「こんばんは!」 と中に向かって叫んだ。 #kaidan13
しかし、返事がない。 何度呼んでも、返事がない。 #kaidan13
それで、 「いいや、中へ入っちゃおうーーー。」 #kaidan13
旦那さん、懐中電灯を取り出しまして、とにかく中に入って忘れ物だけでも取り出そうと、奥さんに提案した。 #kaidan13
一人で残されたらたまったもんじゃないですから、奥さんもしぶしぶ一緒に付いてきました。 #kaidan13
すると、 「おっ、あった、あったよ!」 台所があって、その下に工事をした跡がちゃんとある。 水道管まで露出している。 #kaidan13
「ほら、あったじゃないか、ここだよ、やっぱり俺が工事した跡だ。」 って旦那がいう。 #kaidan13
そばで見ていた奥さんも、 「あった!」 と叫んだ。 ちゃんと、あった。 #kaidan13
財布と臨時ボーナスの袋がそのまんま、そのまんまの形で、台所に置いてあった。 #kaidan13
「よかった、よかったー。」 二人はもう大喜びですよ。 それじゃあ、帰ろうかというんで、二人が玄関に向かった時、 #kaidan13
チーーン。 と、音がした。 #kaidan13
鐘の音かな・・・。 家の奥のほうから聞こえる。 #kaidan13
「気持ち悪いよ、もう帰ろうよ。」 と奥さん。 ーーーいや待てよ。 するとまた、 チーーーン。 #kaidan13
「もう帰ろうよ」 と奥さん半泣きしてるんですけど、旦那のほうはなんだか妙に楽しくなってきた。 #kaidan13
肝だめしの気分みたいになっちゃったんでしょうね。それで、 #kaidan13
「もしかしたら、あのばあさん具合悪くて、助けを求めているかもしれないぞ。そうしたらヤバイぞ」 って。 #kaidan13
じゃあ、行って見ようか とーーー。 二人は広い部屋を通って長い廊下を歩いて行った。 #kaidan13
懐中電灯を照らしてゆっくり進むと、目の前に襖が見えた。 #kaidan13
「おい、布団が敷いてあるぞ」 襖が少し開いていて、のぞくと、どうやら誰かが寝ているらしい。 でも真っ暗であまりよく見えない。 #kaidan13
懐中電灯で照らし 「すいません。こんばんは。」 といって、中へ入った。 #kaidan13
布団は埃をかぶった状態で、とっても古い。 ツーンと鼻を突く臭いがする。 #kaidan13
掛け布団は何重にもなっているんですが、さっきまで人が寝てたみたいに、胸元の辺りだけがめくれ上がっていたんです。 #kaidan13
「いやだー、気持ち悪い。」 あなた、あれ見て、と、奥さん。 #kaidan13
布団に頭の先に、壺があるんです。 あれ? ・・・骨壺じゃないかーーあれ。 #kaidan13
うわーーーっ、 こわくてもう奥さん言葉が出なくなった。でも旦那さんにしがみついて、 #kaidan13
「ねえ、あなたさっきからなんか感じない?」 って聞いた。 #kaidan13
「 ? 」 #kaidan13
「誰か、私たちのこと、見ていない?」 さすがに旦那さんもこわくなってきた。 彼自身も実はそれを感じていたんですね。 #kaidan13
恐る恐るその横の辺りを見ると、真っ白な髪のばあさんが立っていたんです。 #kaidan13
「あっーーー」 一瞬、ひっくり返りそうになったけれど、旦那さんは奥さんを抱えて、必死で守ろうとした。 目を凝らしてよーく見ると、 #kaidan13
・・・・・・写真だった。 写真だったんです。 人じゃない。 しかし・・・、 旦那さん、 こわばった顔で立ちつくしている。 #kaidan13
そして奥さんにぽつり。 「俺が会ったばあさんって、この人だよ。」 その時、 #kaidan13
ピーーンッ といって、懐中電灯が割れた。 #kaidan13
何もしてないのに。 電気が消えてしまった。 二人は手探りで部屋を出ようとしましたが、襖の場所がわからない。 #kaidan13
手探りで歩いて、 すり足で進みながら、 異様な音がするのを聞いてた。 #kaidan13
歩いてくる音がする。 「来てる来てる・・・おい、人が歩いているよーー・・・だんだんと近づいてくる・・・しかも・・・一人や二人じゃない・・・たくさんいる。」 #kaidan13
二人のすぐ側まで近づいてきた。 なま暖かい息が、二人の首筋辺りにかかったのは、その時だった。 声が聞こえた。 #kaidan13
「お水、ちょうだい・・・・・・・・・・」 #kaidan13
二人は、耳元で声がして、そのまま気を失ってしまった。 #kaidan13
大丈夫かーーー。 どうしたんですーーー。 そんな声で二人は目が覚めた。 #kaidan13
起き上がると眩しい光で顔をてらされている。 「あんたたち、ここで何してるの。」 警察官が懐中電灯を持って縁側に立ってた。 #kaidan13
「こんな廃屋の前に車が止まっているからね。不審に思って来てみたんだ。火事でも出たら大変だ。」 #kaidan13
二人は何がなんだかわからないまま、すいませんと謝って、それで 「ところで…」、とおまわりさんに聞いてみたそうです。 #kaidan13
「ここは、どういう人が住んでたんですか。」 すると、警官は、 #kaidan13
「・・・・・・、もう10年以上も前になるね。この家でおばあさんが独りで暮らししててね。生活にも困ってたんだね。冬の事で電気を止められ、ガスも止められ、水道は凍りついちゃって、」 #kaidan13
「それでおばあさん、流しで水を飲もうとしたのか、台所のすぐ下に倒れて、死んでたよ。」 #kaidan13
「・・・・・・・・・・」 #kaidan13
「ところであんたたち、本当はここに何しに来たの。」 警官は真顔で聞くので、旦那さんもつい本気で答えた。 #kaidan13
「そのおばあさんに頼まれて、水道工事に来たんです。」 #kaidan13
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